ひきこもり情報誌 IBASYO②

手記 「不登校、不安に襲われる日々」

ひきこもり・不登校をしている青年たちと一緒に情報誌(全66ページ)を創りました。
当事者ならではの視点に満ちた内容となっています。表紙
情報誌に掲載されている内容については、このホームページで少しずつ紹介致します。

希望する方には、無料で差し上げています。
ただし、送料はご負担下さい。
希望する方は、お問い合わせのフォームでご連絡下さい。
尚、冊数に限りがあります。
なくなりしだい、無料での配布は終了致します。

  <手記>  「不登校、不安に襲われる日々」       文:RYO

僕は、もともと明るくて、外に出るのが大好きな活発な人間でした。小学校までは、人数の少ない学校だったけど、中学校に入って、人数が一気に増えました。今まで、知らない人、大人数の中で過ごすことが無かったので不安感はありました。けれど、中1の時はまあまあ明るく楽しく過ごせました。

中2になってクラスが変わりました。仲の良かった友達も別のクラスになりました。周りの知らない人と、話す勇気がなくて、小学校の時の自分に比べたら口数も一気に減りました。けれど学校に行くのは苦ではありませんでした。

学校に行きたくない、行けないになったきっかけは、知らない女子から、通りすがりに「キモイ、変人」と言われたことです。今まで、そんなこと言われたこと無かったし、何でそんなこと言うのかモヤモヤとショックがありました。

それがトラウマとなって、人とすれ違うたび、笑い声が聞こえると自分のことを言われている気がしてきて恐怖心が湧いてきました。

僕は、皆勤することを目標に学校に通っていたから、行きたくなくても無理して行きました。無理を続けた結果、トラウマ、恐怖心が染みついて、いつの間にか、対人恐怖、視線恐怖になっていました。保健室登校もできなくなりました。学校に行くのをやめて、家の中に居ても、外からの視線、笑い声が気になり、黒カーテンをして、一歩も外に出れない時期がありました。

今思うと、あのとき無理して学校に行ってなければ、誰かに正直に苦しさを伝えられていたら、こんなに苦しまずに済んだのかもしれないと思います。

外に出られない生活を変えたいと思って、精神科に通うことにしました。

1つ1つの病院を探していくのも大変でした。けれど、一人の先生と会ったことで、自分は勇気をもらえて、少しずつ外に出れるようになりました。

病院で教わったことは『認知行動療法・森田療法』です。自分の中では不安でもあえて不安の中に飛び込むことで、実際に起きているか、確認してみることが大切、自信をつけると教わりました。森田療法は、日常的なこと、掃除、食器洗い、ゴミ出し、出来ることを進んで行動する。毎日1つ1つの積み重ねで自分に自信をつけていくというやり方でした。

僕はまだ、完全には治ってません。まだ一人では外にも出れないけど、今の仲間とふれあいながら人に慣れて、対人恐怖と向き合いながらいずれは、高校に行くことが今の目標です。