2014年12月18日

子どもの立場に立つ不登校支援 ①

原因さがしはソフトな登校圧力

 子どもが学校に行かなくなると、多くの親は「どうして家の子どもが…」とショックを受け、担任は「何で…」と思い悩む。そして、子どもに「どうして学校に行かないの」「何か嫌な事があったの」と原因探しを始めることが多い。学校に行かない理由を尋ねると、「理由がなくて学校に行かないのはいけない」と思っている子どもは、今思いつく嫌なことを話す。子どもが原因らしきものを口にすると、親と教師はその解決をはかり、子どもを学校へ行かせようとする。

 例えば、「先生が怖い」と子どもが言うと、進級する時に優しい教師のクラスにしたりして登校を促す。場合によっては転校をさせたりして登校を促すこともある。学校に行かない原因が解決すると、学校に行かなくてはならない理由になる瞬間である。しかし、「原因(らしきもの)」を解決しても、登校できない子どもたちは少なくない。どうしてであろうか?

 子どもたちに当時のことを聞いても、「どうして、不登校をしたのかわからない」と答えることがほとんどである。明らかにいじめをうけて学校に行けなくなったケースの子どもでさえ、「いじめが原因かもしれないけど、それだけじゃないと思う」「いじめはなくなったけど、どうしてか行けなくなったのかわからない」という答が返ってくる。つまり、不登校の原因を特定することは当事者の子どもでもむずかしく、様々な要因が絡み合っているということであろう。

 ただ、原因探しに意味がないとは言えない。深刻ないじめや体罰などは、子どもの不登校に関係なく対応し、解決にむけて努力しなくてはならないのは当然である。学習のつまずきが不登校のきっかけとなることもある。調べてみると、子どもに軽度発達障がいがあるケースもある。こだわりの強さから今の日本の学校生活に適応できにくい場合もある。それらは、「不登校対策・支援」というよりも、その子の発達を促すための支援・指導の工夫の範疇であり、学校を問い直す課題であり、学校に来させる(行かせる)ために行う問題ではない。

 いずれにしても、親や教師が「どうすれば、学校に行くのだろう」と不登校の原因探しばかりして、その解決をしながら登校を促していると、目の前で苦しんでいる子どもに対して「今の(不登校をしている)あなたはダメ」「早くみんなと同じように学校に行かなければいけない」というメッセージを送ることとなる。
 不登校をしている子どもの多くは、自分自身への自己評価が低く、「みんなと同じように学校に行けない自分はダメだ」と苦しんでいる。そうした子どもに対して、学校に行かせるために、親や教師が良かれと思ってしている原因探しが、子どもにとっては、原因が解決したら学校に行かなくてはならない「登校圧力」につながることとなる。

 また、「どうして」「なぜ」と理由を尋ねることが、結果的に子どもを問い詰めてしまうことも少なくない。子どもにとっては、つらい気持ちを言葉にして吐き出すことが大切であるのに、理由や原因を探している場合は、問い詰められる感じを受けて、何も話さなくなるケースをよく耳にする。自分で処理できないつらい気持をわかってほしい子どもに、「どうして?」「黙ってちゃわからないでしょ」と理由を尋ねても、子どもは口を閉ざし、ますます感情を表に出せなくなる。つらい気持ち・不安な思いを表に出せず、自分の心の奥深くに押し込んだ子どもは、主体的に考えていくことなどできるはずもない。