2017年5月15日

ひきこもり情報誌 IBASYO➀

はじめに

ひきこもり・不登校をしている青年たちと一緒に情報誌(全66ページ)を創りました。
当事者ならではの視点に満ちた内容となっています。
情報誌に掲載されている内容については、このホームページで少しずつ紹介致します。

希望する方には、無料で差し上げています。
ただし、送料はご負担下さい。
希望する方は、お問い合わせのフォームでご連絡下さい。
尚、冊数に限りがあります。
なくなりしだい、無料での配布は終了致します。

はじめに

ついに、ひきこもりの当事者たちの手による情報誌ができあがりました。取り組み始めたのは2015年の6月ですから、およそ20ヶ月の時間をかけて作成したことになります。時間がかかったことは良くないこともありましたが、ゆっくりとした歩みの中でこそ生まれる物もありました。

表紙作成するきっかけは、星の会(不登校を考える親の会)の例会で出されたある母親のささやかな願いからでした。「うちの子どもが『同じひきこもりの青年と会いたい』って言っているけど…。」

みんなでどうすれば良いか考えました。

「同じ立場の人たちで集まる『しゃべり場』を開いたらどうだろう。」と提案してみました。ひきこもりを経験した青年が「そんな所には誰も行かないと思いますよ。」とバッサリ。「バスハイキングとかしたら良いんじゃない?」とあるお母さんが言いました。「ますます、誰も行かないでしょ。」と笑顔で答える青年。

いろいろ考えて、ひきこもりのことを伝える情報誌を作るために参加を呼びかけることになりました。情報誌の作成をきっかけに、ひきこもりの経験者や当事者が集まるのです。

当初、3名の青年と青少年自立支援センターの衞藤さんと加嶋の5人でスタートしました。話し合いは情報誌のことに留まらず、日常生活へと広がっていきます。「好きなゲームのこと」「今、夢中になっていること」「アルバイトのこと」…。

ある青年が、「せっかく始めたアルバイトだけど(2週間で)辞めようと思っている」と相談しました。理由などを聞き共感したり、辞め方の方法を一緒に考えたりします。(アルバイトの続け方ではなくて、辞め方を一緒に考えるなんて、当事者の集まりならではのことです。)そのうちに、「もう少し頑張ってみた方が良い」とアドバイスを始めました。その青年は、1ヶ月以上アルバイトを続けました。

しばらくすると、参加するかどうかを迷っていた女性の青年がひょっこり顔を見せてくれました。その青年のつながりで、新しい青年が参加してくれました。星の会繋がりで他の青年も参加してくれました。いつの間にか、10人の青年が参加してくれるようになりました。仲間が増えると、活動の幅は拡がり元気が出てきます。

編集会議以外にも、連絡を取り合いながら交流をするグループも自然に生まれました。情報誌の作成をきっかけにして、経験者と当事者が繋がることが出来たと思います。

情報誌作成にあたっては、「書きたいことを書く」「描きたい絵を描く」を大切にしました。「誰かの役に立つ物を作る」というよりも、「当事者たちが書きたい物を作れば、それが誰かの役に立つかもしれない」と考えました。

1ヶ月に1回のペースで編集会議をしたため、あまりこだわらないようにもしました。こだわりすぎると進まなくなるからです。また、せっかく書いた原稿にあれこれ意見を言うのもひかえました。それは善意であったとしても、その人にプレシャーを与えてしまいそうだったからです。アドバイスや提案は一応しますが、それを取り入れるかどうかは本人に決めてもらうようにしました。第4章の「中学校卒業後の道 ~自分に合った道を選ぼう~」だけはチームで取り組み、意見を重ねながら原稿を仕上げました。

ですから、手にして読まれる際に、内容と共に、その原稿を書いた本人の「今を大切に生きている思い」を感じていただければ幸いです。

この情報誌は、編集会議に参加してくれた青年だけで作る事は出来ませんでした。

編集会議には参加できないけど、協力してくれる青年も出てきました。一人はイラストを寄せてくれた翠雨さん。そのイラストは、子どもの心の世界の一面を見事に表現しています。音声を起こすのを手伝ってくれたOさんは、メールでしか交流はありませんでしたから顔を知りません。でも、いろいろ詳しくて、データのやりとりの方法などをアドバイスしてくれました。

会場も駅から歩いて行ける所が良いということで、「青少年自立支援センター」の一室を使わせていただけるようになりました。「映画とトークで拓くひきこもりの世界」というイベントでは、映画監督の榎園京介さんの協力もありました。印刷製本の費用については、グリーンコープの「100円基金」から補助をしていただけるようになりました。

たくさんの方々の支えによって、何とか発行することが出来ました。ありがとうございました。

この情報誌が、一人でも多くの青年の元に届くことを願っています。

 

不登校・教育研究所「明日(あした)が見える」

所 長    加嶋文哉

2017年5月11日 子育てカフェ(臼杵市)

<テーマ> 今、気になる子どもの様子から
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<参加者の感想>
○初めての1年生の母親になって、小学校のこと、宿題のこと…たくさん考えることがありますが、あまり(高いところ)を期待し過ぎないことで、親も子どもも楽しくできるのかなと感じました。私は母親であり先生ではないので、宿題の出来も完璧を望まないこと!!
今日から早速したいと思います。ありがとうございました。

〇初めて参加させていただきましたが、楽しく、子育ての悩みについて語れてよかったです。皆さんの話に、「うちもある、ある」と思うことばかりで、自分だけじゃないと感じることができました。それだけで悩みが軽くなった気がします。子どもに問題があるのではなく、自分の問題としてとらえることを考えていきたいなと思いました。

〇久しぶりの子育てカフェでした。今回も楽しい内容でした♪
加嶋さんは、いつも的確な表現で分かりやすく悩みや解決方法や案などを示してくださるので、我が子のことじゃなくても、話を聞くだけでスッキリします。予防線を張り過ぎないこと、ピンチが来たらその時に考える、などこれからも取り入れていこうと思います。今日、改めて、私は加嶋さんのお陰で親としての困りがだいぶ減っている感じがしました。また、次回楽しみにしています。ありがとうございました。

〇久しぶりの参加させていただきました。この時間は、自分にとって本当によい時間だと思います。みんなで悩みを共感でき、子育てに関して頑張る気持ちがここで復活するような感じです。

〇今日は、久しぶりに加嶋さんのお話が聞けてとてもよかったです。やや「一番病」の長男に対して、予防線を張らず見守っていきたいと思います。また、この子育てカフェで初心に戻って、みんなで子育てについて楽しく語り合いたいなと思います。

次回予定
・日時 2017年8月10日(木)10:30~12:30
・場所 元気力ネットワーク事務局 大分県臼杵市江無田14組  0972-83-5690