2017年4月24日

不登校をどう理解するか➁

子どもに学校があわない

「不登校ってよくわからない?」
「どうして子どもは学校に行かないの?」
と感じている大人は多いようです。
大人の多くに不登校の経験が無いから、どうしても子どもに問題があるように思えます。
しかし、子どもが行きたくないと思っている学校は、親の時代とずいぶん違ってきています。

■学校は牛乳?!

 「学校は牛乳と似ている。」と言っていた大学教授がいます。
 「牛乳は飲めば栄養になるかもしれないけど、人によっては下痢を起こす。多くの人は栄養になるが、そうでない人もいる。学校もそうではないか。学校に行けば栄養になる子どもは多いけど、今の学校に行こうとすると、体質に合わず身体症状を起こす子どもも当然いる。」と言っていました。
 ちなみに、牛乳を飲むと下痢になるのは「乳糖不耐症」という体質らしいです。10%近くの方がそうであるといいます。
 今の学校の状況に対して、子どもが拒否反応を起こしているのが不登校であるというのです。

■青魚と同じ?!

 「子どもに学校が合わない」といった説明をしている方は、他にもいます。「不登校の子どもは青魚である」と言っていました。
 青魚(アオウオ)という魚は中国に生息する魚で、2m・100kgを超える記録もある程大きな魚だそうです。とにかく大きい魚なので、戦争中に食料を増やすために中国から稚魚が大量に運ばれ、日本国内の20を超える府県に放流されました。しかし、利根川で少し育っただけで、それ以外の川では死滅したそうです。
 その理由は、中国の揚子江のようにとてもゆっくりと流れる大陸の河で生息する青魚は、日本の川は急流過ぎて合わなかったらしいのです。
 不登校の子どもたちも青魚と同じで、今の学校の状況に合わないと言います。
 「学校は牛乳」「不登校は青魚」のどちらも、的を射ているように思えます。学校に合わない子どもが増えているのではなくて、子どもが拒否反応をするほどに、年々学校がおかしくなってきているように思えます…。

■子どもが合わない学校とは

 「教師の多忙化」が問題になっています。OECD(経済協力開発機構)が、中学校の教員の国際比較をした際に、日本は世界で一番忙しいという結20140626合同朝刊果が出ました。その忙しい中身の一つに事務作業がありました。
 昔の教師も忙しかったです。毎日の授業の準備、休み時間にノートを見たり、サッカーを子どもとしたりする、放課後に勉強の苦手な子どもの指導、職員室で子どもの指導についての研修、夜遅くなってからの家庭訪問、先輩の家で指導方法を学ぶ、家で日記の赤ペンを書く、お便りを書く…。どれだけ時間があっても足りないほど忙しかったです。
 しかし、どれも子どもの笑顔が見たいという願いに結びつくので、忙しくて疲れても充実感が持てました。
 今の忙しさは、「子どもの育ちに結びついているのか」と疑問を感じる仕事に追われる忙しさですから、精神的に疲れてストレスを感じます。誰も見ないのではないかと思われる分厚い文書を作ったり、何の意味があるのかと思われる報告書を作ったり‥‥。パソコン業務をしながら「この作成している文書が子どもの育ちや指導に役に立つのか」と疑問を持つ教師もいると思います。
 そうすると、教師自身が楽しく生き生きとできません。教師が生き生きできない学校が子どもにとって楽しいわけがありません。
 教師の多忙化だけをみても、昔に比べ学校から子どもと教師の笑顔が消えつつある状況が見えてきます。